テレビなどで、メンバーが比較的固定した集団が大勢で歌っているのが聞こえること
があるが、
曲の構成が小学校の卒業式によく似ているものが多い。
どちらに起源があるのかに確信はないが、自分の卒業式と当時の音楽を思い出すと、
卒業式の方が古そうだ。いずれにも、誰が抜けても成立する、という特徴がある。
かつて急拵えされたband aidやusa for africaという団体の歌は微妙に違っていて、
作者も演者も誰が演っているのか知らせようとしている、ように感じる。
人の歌だけで曲を表現するものだと思っていたが実は違ったA Cappellaで(なくても
良いが)、
最も単純な構成は斉唱(極めて稀にとんでもないのを聞くことがあるが普通はコーラ
スが掛かる)で、
次に主旋律+伴唱(造語かも)で、3部だとリズム的楽節が含まれるようになり、、、
そこで突然、複雑化した歌から要素を省いていって、どこまで省けるのかと疑問を
持った。
この疑問の方向で、対立的な位置にあるのがBohemian Rhapsodyという曲の冒頭部分
で、
旋律はあるが主旋律+伴唱という形ではなくハーモニーで旋律を表現している、らし
い。
オーケストラで4度や5度や8度を別の楽器で重ねて旋律をつくるのに似ている。
というわけで代替不可能なこの曲は凄いと思う。
上手い下手よりも、合唱で売るならこんな形であって欲しいと思う。
そして、冒頭に述べたような「誰が抜けても成立する歌」は、
継承可能性の高い文化的成果の一つと考えられるのだが、
何となく、誰でも良い筈の独唱部分が、何故か文化的価値を下げているように思え
る。
もっともっと曲としての完成度は上がる筈だ。【I.K】
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