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テレビなどで、メンバーが比較的固定した集団が大勢で歌っているのが聞こえること

があるが、

曲の構成が小学校の卒業式によく似ているものが多い。

どちらに起源があるのかに確信はないが、自分の卒業式と当時の音楽を思い出すと、

卒業式の方が古そうだ。いずれにも、誰が抜けても成立する、という特徴がある。

かつて急拵えされたband aidやusa for africaという団体の歌は微妙に違っていて、

作者も演者も誰が演っているのか知らせようとしている、ように感じる。

人の歌だけで曲を表現するものだと思っていたが実は違ったA Cappellaで(なくても

良いが)、

最も単純な構成は斉唱(極めて稀にとんでもないのを聞くことがあるが普通はコーラ

スが掛かる)で、

次に主旋律+伴唱(造語かも)で、3部だとリズム的楽節が含まれるようになり、、、

そこで突然、複雑化した歌から要素を省いていって、どこまで省けるのかと疑問を

持った。

この疑問の方向で、対立的な位置にあるのがBohemian Rhapsodyという曲の冒頭部分

で、

旋律はあるが主旋律+伴唱という形ではなくハーモニーで旋律を表現している、らし

い。

オーケストラで4度や5度や8度を別の楽器で重ねて旋律をつくるのに似ている。

というわけで代替不可能なこの曲は凄いと思う。

上手い下手よりも、合唱で売るならこんな形であって欲しいと思う。

そして、冒頭に述べたような「誰が抜けても成立する歌」は、

継承可能性の高い文化的成果の一つと考えられるのだが、

何となく、誰でも良い筈の独唱部分が、何故か文化的価値を下げているように思え

る。

もっともっと曲としての完成度は上がる筈だ。【I.K】

自転車ロードレースの2022年シーズンも10月初旬で概ね終了しました。

 今年はここ5年来の傾向に違えず20歳前後の若手選手の活躍がめざましく、ツール・ド・フランスのマイヨ・ジョーヌ(黄色いジャージ、総合タイムでの優勝者)はデンマーク人の22歳、また続くブエルタ・ア・エスパーニャのマイヨ・ロホ(赤いジャージ、同じく総合優勝者)はベルギー人の22歳でした。3大グランツール※で贈られる賞のひとつマイヨ・ブラン(25歳以下の選手に贈られる白いジャージ)が殆どのレースで3位入賞やポイント賞などの受賞者とと重複し、あまり賞の意味をなさなくなってきている状況が続いています。

 あと女子のレースが男子とほぼ同様の規模・スケジュールで開催され、信じられないことにオランダのファン・フルーテン選手がグランツールすべて、世界選手権、さらにいくつかのモニュメント(長い歴史のあるワンデイレース)で総合優勝しました。

感覚的にいえば「グランツールに出られること」「ステージで1勝すること」すらすべてのプロ選手がキャリアのうちに必ず達成できることではなく、まして総合優勝すれば一生評価されるようなすごいことなので、どれだけの偉業かがわかります。来年以降どんなレースが見られるのか、女子も楽しみです。

来月11/6のさいたまクリテリウムにはツール総合優勝のJ・ヴィンゲゴーをはじめ錚々たるメンバーが来日しますので、ニュースなど見かけたら注目してみてください。【M.O】


※「ツール・ド・フランス」「ジロ・デ・イタリア」「ブエルタ・ア・エスパーニャ」いずれもおよそ3週間20数ステージ、合計3,000km以上を走る国際レース

 自宅から西に少し歩いたところに急な坂がある。雨が降ると滝のようになるとのことで、「滝坂」と名付けられ、その昔は甲州街道の難所の一つだったらしい。

 この地形の高低差は、多摩川が武蔵野台地を浸食してできた河岸段丘によるもので、立川あたりから大田区まで続き「国分寺崖線」とも呼ばれる。

 崖地ぎりぎりまで宅地がひしめき合う中、崖線に沿って南下していくと、豊かな緑が残されている一角に出くわす。作家の武者小路実篤が晩年を過ごした居宅とその敷地跡である。

 没後、遺族の意向のもと敷地まるごと市に寄贈されて以来、「実篤公園」として当時のまま保存されている。

 このあたりの崖線の下には多くの湧水群があり、園内では珍しい植生やニジマスが生息する池も見ることができる。

 実篤は「水の豊かなところに住みたい」という念願を叶え、都心を離れてこの地に移り住んだとのこと。宅地開発される前の原風景を感じられる貴重な場所だった。

【T.O】

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